【みんなですすめる健康づくり 子宮がんについて】 11月放送分
2012/01/04
11月放送内容 「子宮がんについて」(担当:渡辺達男細胞検査士)
更北有線放送アナウンサーの小林さん(左側)と渡辺細胞検査士
収録音源はこちらから♪
***収録内容***
◆小林アナウンサー
「子宮がんについて」長野県健康づくり事業団の検査課・課長の渡邉さんにお話を伺いたいと思います。渡邉さんは、子宮がん検診細胞検査を担当している細胞検査士です。渡邉さん今日はよろしくお願いします
◇渡辺細胞検査士
こんにちは。よろしくお願いします。
11月は、子宮頸がん月間です。「子宮がん」と一概に言われていますが、実は、部位によって区別されています。ご存知の方もいらっしゃると思いますが、赤ちゃんが育つ子宮本体の部位から発生する「子宮体がん」と子宮の入り口の頸部と呼ばれる部位から発生する「子宮頸がん」とがあります。
今月は、この「子宮頸がん予防」の啓発を行う月間としています。
◆小林アナウンサー
「子宮がん」は一つではないのですね、それぞれ体がん、頸がんの特徴はあるのですか?
◇渡辺細胞検査士
まず、子宮体がんは子宮粘膜の粘膜腺細胞から出来る「腺がん」で閉経期から閉経以後の年齢の方で、「不正出血」によって気付かれることが多いのです。そのような場合は、医療機関を受診してください。
もちろん症状が無くても医療機関では子宮体がん検診を行っていますので受診してください。
◆小林アナウンサー
子宮体がんは、中年以降に多く、不正出血の症状が出ることが多いのですね。子宮体がん検診は病院で検査を受けることと、不正出血があったら、必ず病院へ行くことですね。
◇渡辺細胞検査士
次に、子宮頸がんは、HPVと言うウイルス(これは、日本語で「人乳頭腫ウイルス」と呼ばれています)は性的接触による性感染症をおこし、初期感染から持続して感染していると数年から十年程度で細胞が前がん状態(がん予備軍状態)になり、さらに進んでがんになってしまうウイルス感染症であります。
性感染症であることがわかってきましたので、若い世代に多く発生する傾向があります。
◆小林アナウンサー
子宮頸がんは、ウイルス感染で若い人に多いのですか?
◇渡辺細胞検査士
はい。子宮頸がんの代表的な子宮頸部扁平上皮がん・子宮頸部腺がんは、その中にHPVのウイルスが確認されています。HPVのウイルス感染は、ほとんどの人が感染してしまう一般的なウイルスで、ご本人の免疫により数か月から1年ぐらいで体から排除され、元の体に戻りますが、まれに持続した感染を起こすことがあり、その場合、感染した細胞が変化して前がん状態細胞、さらに進んで、「がん細胞化」します。このHPVは、直っても繰り返し感染することと、感染しても自覚症状が無いことが厄介な感染症です。
HPV持続感染により子宮頸がんが発生し、10代から40代の赤ちゃんを産み育てる若い世代に集中傾向が見られることは、大きな問題です。わたくしどもの事業団の検診でも20代30代から頸がん及び頸がん予備軍・前がん状態の方を見つけています。
◆小林アナウンサー
子宮頸がんや頸がん予備軍・前がん状態は若い世代に集まっているのですね。いわゆる中年以降のがん年齢世代とは、違って、子育て世代に多く発生することが問題なのですね。
では、どうすればいいのでしょう?
◇渡辺細胞検査士
はい。若い親、次の世代のこどもたちをはぐくむ子宮に危機が迫っています。
感染しても自覚症状が無いため、どうすれば良いのかと言うと、検診による子宮頸部の細胞を取って検査する細胞診、あるいはHPV-テストを定期的に受けることでしか確認することは出来ません。
反対に検診を定期的に受けていれば、予防できるのが子宮頸がんです。
細胞診は、顕微鏡を使い、炎症や普通の感染症、HPV感染細胞・がん予備軍細胞・がん細胞そのものを見つけだすことが出来ます。
また、ほとんどの女性が感染しているHPVが免疫で排除され、陰性化したかどうかを細胞を使って判定するHPV-テスト検査も行われています。
さらに、今、話題の子宮頸がんワクチンは、このHPVのがん化しやすい2種類と4種類のタイプに対するワクチンが開発され、認可を受けました。小児科、婦人科医療機関で接種可能となりました。とくに年齢によっては自治体の負担で接種可能です。
すべてのHPVに対するものではありませんが、ワクチン効果はがん化するウイルスの70%程度に効くといわれています。ただ、ワクチンだけでは防ぐ事は出来ません。
予防のため定期的子宮頸がん検診を受けることが重要です。
最後に、医療進歩による今後の子宮頸がん撲滅を期待したいと思います。
子宮頸がんがなくなるまでもう少しです。
◆小林アナウンサー
なるほど、子宮頸がんはいわゆるがん年齢世代でなく、若い世代の性感染症から起きて、予防できる「がん」だったのですね。検査・予防方法はいろいろ可能ですが、現在、子宮頸がん検診を定期的にうけて、細胞の変化がないことの確認をすることが一番の予防ですね。
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